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 アダルトチルドレン とは

「言葉の意味と歴史」

まず、アダルトチルドレン とは、病名でもレッテルでもありません。 語の発祥は「Adult Children of Alcoholics(アルコール依存症の親の元で育ち、成人し た人々)」で、1970年代アメリカで、ケースワーカーや依存症者の間で使われるように なりました。
アダルトチルドレンという言葉は、日本には1989年に入り、1995年から注目されるよう になりました。当時アルコール依存がアメリカほど問題になっていない日本では、精神科 医の斎藤学によって、アメリカの「機能不全家族で育った人」という意味のアダルトチル ドレン概念よりさらに意味が拡大され、家族システムの危機や、親との関係での何らかの トラウマ、過度に「いい子」でいることを余儀なくされたなどの経験があり、他者の期待 に過剰に敏感になるなどの状況に陥り、その結果、自己のアイデンティティの不安定さや ある種の「生きにくさ」を感じる人、PTSD(心的外傷ストレス性障害)に悩む人を指す ようになったのです。
1989年に東京で行われた「アルコール依存症と家族」という国際シンポジウムで、米国 在住の心理学博士カウンセラー西尾和美が連れてきたクラウディア・ブラックがアダルト チルドレンという言葉を紹介し、同年、アルコール依存症治療で実績のある斎藤学がブ ラックの1981年の著作を『私は親のようにならない―アルコホリックの子供たち』のタ イトルで邦訳し注目を集めました。
アメリカではアルコール問題家族で育った成人という意味から、AC movementと呼ばれ る市民運動にまで発展し、かなり広い意味を持ちますが、日本にはそうした過程を飛ばし て導入されたため、さまざまな誤解が生じました。一般雑誌と書籍での扱いは1997年が ピークで、雑誌で1996年はアダルトチルドレン本や著者の紹介が主でしたが、それと同 時に批判的な意見も増大しました。1999年にはアダルトチルドレンを「死語」として扱 う記事が現れ、2000年になると取り上げられる機会も大幅に減りました。

「アダルト・チルドレン 癒しのワークブック」西尾和美著書
西尾和美先生は、アダルトチルドレンとは、安全な場所として機能しない家族の中で育 ち、そのために様々な人間関係の問題や生きづらさを生きづらさを感じている人たちの事 と語ります。当時、日本ではまだこの問題について、充分に訓練されたカウンセラーの数 も少なく、助けを得られなくて途方に暮れている方々が多く存在していたため、先生一人 の力では限界があると感じ、何とか一人でも向き合える様にと、25年間サイコセラピス トとして蓄積してきた知識を伝えようと、アダルトチルドレンのためのワークブックを作 り上げたそうです。

 実際に私も、このワークブックを端から端まで読み込み、自分自身に当てはめて使ってみ ました。私のクライエントさんも、一人で始めてみると、あまりに自分を語っている様 で、準備ができていない場合は、気分が悪くなることもあります。出来れば、カウンセ ラーと話をしながら進めていくと良いかもしれません。本にも、その様な説明がきちんと されており、安全、安心のもとで焦らずにゆっくりと進めていく様に書かれています

「アダルト・チルドレン のチェックリスト」

□物ごとを最後までやり遂げることがむずかしい □自分にとって自信がない。自分はダメだと思う。

□自分に対して過酷な批判をする

□自分は生きている価値がないと思う

□人生を楽しむことが下手である
□他人と親密な人間関係を持てない

□白黒をはっきりさせ過ぎ、ほどほどにバランスをとることが出来ない

□何かあると反射的に反応する

□必要のない時にもつい嘘をついたり、ごまかしたりする

□必要以上に相手に忠実である
□何が正常で何が異常かわからない

□他人からの褒め言葉を受け入れにくい

□他人から助けを得るのが下手である

□自分は他人と違っていて居場所がなく、孤独に感じる

□自分でコントロール出来ない状態が起きるとパニックを起こす

□他人から認められたいという気持ちが強い

□理由もないのによく頭痛や腹痛などがあり、身体の調子が悪い

□摂食障害を起こしている(拒食症、過食症、過食嘔吐など)

□アルコールや薬物(医師からの処方薬剤も含む)の依存症になっている

□非行に走ったり、自暴自棄になって暴れる

□お茶目で他人の気をそらす
□目立たない様にスーッと消える

□気まじめで他人の言う通りにする

□いつもせかせかと衝動的に行動する

□何か起こるのではないかと常に恐れる

□他人の目が気になる。被害妄想に陥りやすい

□何事も完璧でないと気が済まない

□顔や身体に表情がない

□何かが変わることに対する恐れが大きい

□抑うつ状態に陥る

□離人感や解離で自分が自分でない様な気がしたりする

□自分の感情が麻痺していたり、身体から出るメッセージに気がつかない

□怒りが爆発したり、いつもイライラしている

□権威のある人の前に出ると過剰に萎縮する

□記憶力が鈍ったり、または反対に嫌な記憶に悩まされて胸がドキドキしたり、悪夢を見たりする
□コミュニケーションの技術に乏しい

□自分はいったい誰で、どんな人生の目的を持っているかなど分からず、自己が確立していない
□対人恐怖があったり、ひきこもりをしている
□共依存的な行動に出やすい


人間であれば、時には以上の様な行動、感情、考え方をするのは当然ですが、もし10個 以上の項目がいつも自分に当てはまる様でしたら、あなたはアダルト・チャイルドである 可能性が大きいと考えられます。(アダルト・チルドレン 癒しのワークブックより)

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